2014年12月12日

超軟質ウレタンレジン「タケシールK2K」雑記

ワンフェス以降色々ありまして、来年度から再度学生に戻ることになりました。(復学ではなく転学)

トレフェスが近いですが、忘れないうちに竹林化学工業製超軟質ウレタンレジン「タケシールK2K(以下K2K)」について殴り書きしておきます。
1.jpg
いつものあの人です。
いつまでも水着で北海道の冬はまずいと思ったので短いトレンチコート(とスカート)を作りました。
前々から気になっていたのでお試しサイズを購入。人形や可動部のカバーにと書いているのでどんなもんかと思い切って行ってみました。

まずはどんなものができるかということで適当にポージングしてみました。

3.jpg
ブーツと腕周りのみ既製品を改造していますが、胴体から足まではうちの素体ベース(後述)なので可動はそれに準拠します。
個人製作の着衣系アクションフィギュアの関門(?)である蹴りや座りポーズは問題なくこなせます。

元のスカートが開き気味で分かりづらいので、思い切って曲げたり潰したりしてみます。
5.jpg
このくらいは余裕ですね。壊れたり裂けたりはしません。べたつきなどもありませんね。
figmaの軟質部品より気持ち硬いくらいの柔らかさです。

では制作過程に入りましょう。とは言ってもあんまり写真撮ってないのでモノの解説がメインになります。
こちら原型、シリコン型、成形品、完成品。
9.jpg
【A:シリコン型】
普通に模型用シリコンです。Mrでも造形村でもウェーブでも何でも大丈夫だと思います。
通気性いい方が硬化も早そうだと思って首の部分を開けましたがたぶん開けなくても大丈夫だと思います。
撮り忘れましたが今回のスカートのような単純な形であれば一面型でも行けました。
【B:原型】
表面処理が成形品に直結するのは言うまでもありませんね。
シリコン型を使う成形で、硬化後は中空でソフビのような柔らかさになるので硬化後に穴を開けたりする場合は原型段階でひと工夫必要だと思います。今回肩を通す部分は原型の肩にちょうどいい球を埋め込んで硬化後のK2Kのその部分をくりぬいて穴を確保しています。
【C:完成品】
成形品と逆転してしまいましたがこちらは余計な部分やバリをカットした完成品になります。
【D:成形品】
硬化したものを取り出したばかりの状態です。はね付き鯛焼きみたいですね。
一応表面を乾かしてからバリや余白をよく切れるハサミや薄刃ニッパーで切除します。

次は作業中の写真です。すんません1枚しかないです。
8.jpg
【@B液(主剤)】
B液が主剤です。色といい粘度といい生キャラメルを彷彿させます。生キャラメルをパサパサにしたみたいな感触です。
【AA液(硬化剤)】
生キャラメルに対してこっちは色も粘度も水あめです。でもくさい。
【Bウレタン系塗料】
K2Kは水分やアルコールがNG、ウレタン溶剤のみOKとのことなので着色はウレタンに乗るものに絞られます。
模型屋に行くよりはホームセンターで「トタン用」とか書いてあるものを探した方が早いと思います。今回は黒を使っています。
【Cチャック付きの袋】
当然ウレタンレジンなので主剤と硬化剤を1:1で混ぜます。
前述したとおりパサパサ生キャラメルと水飴を混ぜるので紙コップに割箸で均等にやるのは困難です。
なのでチャック付きの袋に2液入れてうまいこと混ぜます。着色料もこの過程でぶち込みます。
こればっかりはやらないと分からないと思いますが袋を揉んで練ります。なるべく素早く。

混ざったら早速シリコンに流すんですが、「流す」ではなく「塗りつける」です。
かなり粘度が高いですが、刷毛(と書いてますが普通に模型用筆で行けました。タミヤのいちばん安い平筆で行けました)で気泡が入らないようにうまく塗りつけます。一回では厚みが取れないので生キャラメルと水あめを袋に入れて混ぜて肩に塗りたくる過程を何度か繰り返します。
粘度が低い割には硬化が始まるまで地味に流れ込んだりするのでコツを覚える必要があります。
一応ウレタン溶剤で希釈することもできますが、流動性が良くなると余計厚みが取りづらくなるので最初の層や細かい部分に先に行き渡らせるくらいが妥当だと思います。
今回のように二面型の場合は両面それぞれが良さげな厚さになったら結合部にたっぷり塗りたくって型を合わせて完全硬化を待ちます。さっきの写真でははね付き鯛焼きと化しましたがあれくらいやらないと結合部が薄くなりがちです(最初2回は結合部が薄くて失敗)

初期硬化は15〜20分くらいで始まり、完全硬化は12時間くらいだと思います。(北海道の11月末基準)


……ここまで書いておいてなんですが、竹林のホームページに一連の過程載ってるんですよね。
直販サイトもあるのでそちらもご検討ください。

さて、今回のコートの構造について軽く触れておきます。
B4lsMTlCcAAWH1i.jpg
コートの下はこうなっています。うちの素体のS胸を中に入るようにひたすら切り詰めて合わせています。
作者の特権で余った胸パーツを使っていますがうちの素体の現行版は胸パーツ5つくらい入ってるのでやってみたい方は自己責任でやってみてください。
着せる時はK2Kの中にベビーパウダーを塗布するとすんなり入ります(多少の引っ張りには耐えられるはずです。)
ボタン(見えづらいですが黒)、スカートのライン、コートのバックルはリキテックスにメディウムを足したもので着色しました。今のところ擦れ、曲げには負けていません。
その他の塗料については別の機会に実験してみます。

最後に総評というか長所と短所を(独断と偏見で)まとめてみます。
【長所】
・簡単には裂けない軟質素材を個人で作れる。
・べたつきがない
・ほとんど収縮がない。
・硬化が(軟質系樹脂の中では)早い。
【短所】
・厚みを調整しづらい(扱いに慣れが必要、技量次第で改善化)
・バリ部分がどうしても目立つ(硬化後の調整はほぼ不可)
・色の調整が難しい(元の色があるので白系は厳しく、ウレタン塗料も模型塗料ほどのレパートリーは無い)
・取扱店が少ない(関東一部除き直販や極一部の通販のみ 札幌だと関税送料がつらい;;)

とまあ癖がある素材ですが慣れれば強い味方になるかと思います。
劣化の心配がなければ頒布物への使用も検討したいところです。
この記事はあくまで僕の感想ですので、参考程度にどうぞ。
posted by SHR_Яyo at 04:06| Comment(2) | 1/12相当小物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
始めまして。
可動フィギュアの素材を調べていてここに辿りつきました。
こちらの記事は大変興味深くとても参考になります。
自分もこの素材(K2K)を使ってみたいと思います。

着色について「ウレタン系塗料」とありますが、近所のホームセンターにて確認してみた所「トタン用」のものはあるのですが、合成樹脂塗料(アクリル)と書かれていて該当するものが見つかりません。

こちら記事の写真に写っているものはラベルから判断すると東急ハンズで売られている「油性 鉄部・建物・トタン用  合成樹脂(アクリル)」に似ていると思われますがそれに該当しますでしょうか。
ウレタンにも油性、水性があるようですが水分がNGとのことなので油性のものが該当すると思います。

参考までに使われているものを教えていただけると幸いです。
Posted by 海王丸 at 2016年06月11日 20:15
ブログ自体を放置してしまい返信が遅れて申し訳ございません。管理人です。

今回使用した物は東急ハンズで見つけられたトタン用油性のものと同じものと思われます。
お恥ずかしい話ですが私自身もウレタン系塗料への知識が疎く、他に使われている方の写真を参考に同じものを使用しました。紹介しているコート及びスカートは成形してからもうすぐ2年になりますが、今のところ変色や変質などはみられません。
参考になれば幸いです。
Posted by Ryo at 2016年10月27日 23:32
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